空気の澄んだ早朝、
まだ街は起きていないけれど、相変わらず蝉は鳴き続けている。
いつもの公園に行けば、いつもの顔ぶれが揃っていた。
まずは昨晩のテレビの話題からだ。
「昨日トリビアみたか?」「見た!やばいやろあれ!」
一通り話し尽くしたあと、「さて」と誰かが言う。
お決まりだった。今日は何で遊ぶのか皆で会議をするのだ。
最初は普通の鬼ごっこばかりしていた。
次第に飽きてきて、いろいろなルールを付け加えていった。
「今日は何鬼する?」
「昨日街鬼したし、たまには高鬼とか?」
「いやいや、高鬼はガキのする遊びや、やっぱ段鬼やろ。」
まるで生き物が進化するように鬼ごっこは種類が増えていた。
あの住宅街の中の小さな公園が、まるでガラパゴス諸島のように、
その中で特殊な発達をしていたのだった。


今こうして思い返してみても
あの頃生まれた数々の鬼ごっこは非常に面白い。
小学生だからこそだせる、純粋で汚れのないアイデア。
当サイトは、そんな愛すべく鬼ごっこたちを
改めて紹介し、次世代に受け継いでほしい、
そんな思いから生まれたwebサイトである。